



Feature-3
観光資源開発とウォーキングマップづくり
ラオス・フアバン県ビエンサイ村、ご存じですか?…その3
2025.04.28



2024年6月、2度目にビエンサイ村へ訪れたのは、ちょうど田植えの時期。ゆたかな木々に加えて水の上に青々と揺れる苗、その合間で笠を身につけて作業をする人々の姿は、なんとも爽やかな風景です。
前回8月の渡航では観光開発参加メンバーで主な観光スポットや現地の方々の暮らしを訪ね、ウォーキングコースの設定とサイン設置調査を検討。私(土屋デザイン室)の仕事はこの作業をまとめ、帰国後は、資料をもとに具体的なデザインと設計、広報活動のためのツール制作を進めることでした。その間ビエンサイ村ではインフォメーションセンター内にビジターセンターとユニバーサルトイレが改築されるなど、プロジェクトは着々と進んでいきます。
今回の滞在では、動線計画・経路、完成間近の案内サイン等最終確認、新たに制作するウォーキングマップのコンテンツ収集、さらに現地の観光開発担当者・有識者・宿泊施設や飲食店経営者とともに想定コースを廻っての意見交換など、限られた時間内でやるべきことが満載です。その甲斐もあり新たな発見もありました。
ひとつはラオス有数の織物産地らしく、製品をつくる世帯が軒を連ねた「織物ロード」とも呼ぶべき一帯があったことです。中には養蚕、製糸、染色、織りといった生産全工程を手作業で行う家もありました。
さらにどの飲食店でも,新鮮で質の高いラオス料理を提供できる点も魅力的です。店舗脇の小さなスペースを利用し、提供する料理に使う新鮮な作物を育てているお店や、ユニークな立地を活かしたお洒落なお店も。歴史的遺産や桜公園だけではないビエンサイ村観光の可能性が感じられる滞在でした。
ワークショップでは、こうした観光資源を今後どう活用し、多様な文化を持つさまざまな世代の観光客にアピールしていくかを検討。各グループが具体的な「モデルツアー」をシミュレーションし、発表していきました。
活き活きと発言する参加者からは、今回のプロジェクトによって今まで気づかなかった地元の魅力を発信していきたい、という意欲が伝わってきます。第2期に入った観光開発は、これまでの成果が目に見えるかたちで実現されていきます。




*ADDP
特定非営利活動法人NPO アジアの障害者活動を支援する会
1992年よりアジア各地で障害者支援活動を行う。ラオスでは障害者のスポーツ振興支援、教育支援事業、就労支援事業等を行っている。2015年、ビエンサイ村でのろう者就労支援として開始した桜公園桜育成プロジェクトやカフェの運営は、新たな観光名所・観光開発事業へと発展している。2023年3月「フアバン県ビエンサイ村PPT戦略アプローチによるインクルーシブな地域活性化事業」に着手。
*株式会社 ジャンピングツアー
ラオス専門の旅行会社。ラオス情報文化観光省・観光部駐日代表事務所。日本ラオス協会会員。ビエンサイ村・地域活性化事業でプロデュース、コーディネートを行う。
