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豊かな緑と洞窟群に囲まれた「革命の聖地」

ラオス・フアバン県ビエンサイ村、ご存じですか?…その1

2024.05.01

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2023年8月初頭、ビエンサイ村へ。ラオスで活動するNPO ADDP*(敬称略)による観光開発プロジェクトに今回初めて参加させていただきました。

首都ビエンチャンから空路で1時間、5月に就航されたばかりのノンカン国際空港から村までは車で約40分。道路の両脇は、削られた赤土が生々しくむき出しのままで、いかにもできたばかりといった様子が伝わってきます。

ラオス東北部、ベトナムとの国境に位置するフアバン県ビエンサイ村は、洞窟群のある岩山と湿地に囲まれた独特の景観が印象的です。私たちがまず最初に訪れたのは村を一望できる『View Point』と呼ばれる展望台でした。こんもりとゆたかな緑に点在するオレンジ色の屋根。ところどころ反射して光を放つ水辺。たくさんの鳥の声。素朴で美しい眺めです。

実はビエンサイ村は革命の拠点として、革命軍のリーダーたちが長期にわたり洞窟内に潜伏し、生活していたことで知られています。実際に会議がなされた参謀テーブル、寝泊まりしたベッド、食事室やバスルームなど当時の暮らしがそのまま保存され、インフォメーションセンターに申し込むと見学することができます。この日はセンターのブンパンさんに5箇所の洞窟を案内していただきました。彼によれば最も多い時には洞窟内になんと2万人もの兵士が暮らしていたとのこと。さらに驚くのはサーンロット洞窟内にある大空間にステージまでつくられていたことでした。こちらは集会のほか兵士たちの娯楽のために、音楽やサーカス鑑賞に使われたそうです。見学の要所ではブンパンさんが手に持ったスマホで、潜伏中の人々の記録動画を見せてくれました。目の前と同じ風景の中で活動する人々の様子は、リアルな臨場感とともに胸に迫るものがありました。

見学を終えて洞窟の外に出ると、降りそそぐ陽光と澄んだ外気、手入れの行き届いた植栽にほっとさせられます。洞窟生活を終えて外に出た戦士の気持ちはいかばかりだったでしょう。ビエンサイ村の外せない観光スポットであることは間違いありません。

取材協力:ADDPジャンピングツアー

*ADDP 

特定非営利活動法人NPO アジアの障害者活動を支援する会

1992年よりアジア各地で障害者支援活動を行う。ラオスでは障害者のスポーツ振興支援、教育支援事業、就労支援事業等を行っている。2015年、ビエンサイ村でのろう者就労支援として開始した桜公園桜育成プロジェクトやカフェの運営は、新たな観光名所・観光開発事業へと発展している。

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