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2025/6/26

キレイなだけじゃない

シンに詰まったラオスの世界

前編

in Viengxay

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フアバンならではのパターンが印象的なシン

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​全国への発送を待つ成約済みのシン。高額なためローンを組んで買うのが一般的だとか

複雑な模様が素早い指さばきで織られていく。今見えているのは布地の裏面

ラオスという国をまだ訪れたこともないうちから、早くも私はシンに目をつけていました。シンとはラオスの伝統的な織りものを使った巻きスカートのこと。現在でも公式の場では着用必須、子どもたちの学校の制服にもなっています。とあるイベントで参加者が着用しているその魅力的な姿を初めて観たとき「これはぜひ現地で入手しなくては」と思ったものでした。シンがいかに現代的で実用的ですぐれモノであるかは、書籍「恋するラオス」に掲載しました。

そんな私がラオスを代表する織物の産地のひとつ、フアバン県ビエンサイ村を訪ねる機会に恵まれたことは、セレンディピティ?でしょう。この村では、畑の脇やお店の中、庭先の屋根付きスペースなど、ちょっとしたところで機織り機を見つけることができます。織っている姿を見ると、つい声をかけて作業のジャマしてしまうのですが、フレンドリーな笑顔を向けてくださるのがまた嬉しい。

機のシンプルさに比べ、その模様の複雑さといったら! なかには織機の上面が模様の裏側となる織りもあります。つまり織り機の下から上を見上げると本来の表側の模様が見えるというもの。表の模様を想像し、裏側を見ながら織っていくという「神業」です。専業の織り手だけでなく仕事や家事や子どもの世話の合間に織るかたも多く、近年副業として見直され、人口32,000人のこの村で女性の約6割が織り手として働いているそうです。機織りの歴史は長く、もともとは家族のために代々受け継がれてきた技術が経済化によって1980年代に製品化され、さらに90年代半ば以降、世界的に知られるようになったとのこと。

現在村には女性たちが織った製品を、ネットで販売する販売所もありました。

見学させていただくと、なんとまあゴージャスなシンにあふれていること。 同行したラオスに詳しい方々もこんな品揃えはみたことがない、と。布地全体が複雑で華やかな総柄、ずっしりした重い質感、全て手織りであることはもちろん、養蚕を経た100%天然のシルク素材のものが中心です。販売の方にフアバン独特の模様や、模様の意味なども解説していただきました。

ラオスの方にとってはシンはとても身近なもの。この村では、今も自分のシンを自分で織って身につけるかたが大勢います。どんな手の込んだ織物も身につけてこそシンだから。その言葉が心に響きました。(続く)

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上の動画で織られた布地の表面。緻密さと気品あふれるパターンに息を呑む

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高度な技術がいる渦を巻くダイヤ柄のバリエーションがこの地方の特徴

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別なタイプのダイヤ柄

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鳥のモチーフ

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ニワトリのモチーフ

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右の織物に使用されている糸。丁寧な養蚕を経た貴重な絹糸

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白くS字に見えるナーガ(龍)

は、よく使われる人気のモチーフ

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動物のモチーフ

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​織機の右にあるのは,パターンのデザインを決める道具

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タイデン族のシン。縦橫に区切られた長方形の連続柄が特徴。黒地の背景にナーガと人の形が織り込まれている

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